手の症状でお困りの方へ 〜Part1 手指の痛み編〜
手の痛みは、日常生活や仕事に大きな影響を与える症状の一つです。
物をつかむ、パソコン操作をする、料理をするなど、細かい動作が多い日常生活において、手の不調は大きな負担となります。
ここでは、手の主な部位・症状別に、考えられる疾患と対策について順番に解説していきます。
第1回目は、手指の痛みについて解説します。
当院では、患者さんの状態に合わせてベストの治療が何かを決めていきます。歳のせいで仕方がないなどと思い込まずに、まずはお気軽にご相談ください。
考えられる代表的な疾患
- ・腱鞘炎(ばね指)
- ・変形性関節症
- ・関節リウマチ
腱鞘炎(ばね指)
概要
指を動かす腱とその周囲を覆う腱鞘というトンネルが炎症を起こし、腱の通過障害をきたします。親指から小指までどの指でも生じます。
症状
- 指の付け根に痛みや腫れを感じる。
- 指の曲げ伸ばしで引っかかりがある。
- 指を完全に伸ばしたり曲げたりするのが難しい。
- 朝起きたときに指が曲がったまま伸ばせなくなる場合がある。
治療法
炎症を抑えるための薬物療法・腱鞘内への注射療法・症状が強い場合はリハビリや手術が検討されます。
変形性関節症
概要
関節の軟骨が摩耗し、関節が変形していく疾患です。特に中高年の方に多く見られ、手指の使いすぎや加齢が原因とされます。いわゆる第1関節と呼ばれるところ(DIP関節)に症状が出るものはへバーデン結節とよばれ、第2関節(PIP関節)に症状が出るものをブシャール結節と呼びます。
症状
- 指の関節に腫れ・痛み・こわばりを感じる。
- しっかり指が握れない。
- 最近、指輪が入らなくなった・抜けにくくなった。
- 動かし始めや長時間の使用後に痛みが強い。
治療法
炎症を抑える薬物療法・テーピング療法・リハビリテーションが行われます。痛みが強い場合は、手術が選択されることがあります。
関節リウマチ
概要
自己免疫疾患の一種で、手指の関節に慢性的な炎症が生じ、痛みや腫れが現れます。放置すると、関節の変形が進行し、機能が失われる可能性があります。
症状
- 朝に強い手のこわばりを感じる。
- 指の第2関節(PIP関節)や付け根の関節(MP関節)を中心とした腫れ・痛みがある。
- 関節が赤く腫れ、触れると痛みを感じる。
治療法
抗リウマチ薬や生物学的製剤を使用して、炎症の進行を抑えることが中心となります。リハビリテーションが効果的な場合もあります。進行した場合は、手術も考慮されます。
当院では、患者さんの状態に合わせてベストの治療が何かを決めていきます。歳のせいで仕方がないなどと思い込まずに、まずはお気軽にご相談ください
次回は、〜Part2 手くび周辺の痛み編〜となります。